公益社団法人日本オーケストラ連盟について

理事長からのご挨拶


sato.jpgわが国にオーケストラの音が響いてから100年余りの時間が経過したでしょうか。西洋の音楽に接して憧れを抱いた先達の方々の献身と努力により、日本のオーケストラは今日まで発展を続けてきました。その歴史の流れの中で、1990年7月に日本オーケストラ連盟は発足いたしました。2012年8月には公益社団法人として認可を受け、現在では全国の36のプロフェッショナル・オーケストラの加盟を得て、わが国におけるオーケストラ音楽の振興と普及のための活動を行なっています。

具体的には、国が行なう文化事業への参画、震災等の被災地への音楽を通じた応援、加盟オーケストラの間での情報交換や課題解決、運営スタッフの研修などに取り組んでいます。近年では、海外のオーケストラ、特にアジア地域の団体との交流にも力を入れ、国際交流を深めています。

音楽は私たちの暮らしを彩り豊かにしてくれます。ある時は眠っていた精神を呼び覚ましてインスピレーションをかき立て、ある時は喜びの時間に花を添え、ある時は悲しみに沈む魂にそっと寄り添い、またある時は不安で落ち着かない気持ちを安らぎに導きます。歴史上の優れた作曲家によって創作された数々の名作を味わうことのできる現代の我々は、本当に恵まれていると思います。なかでも、研鑽を積んだ演奏家の方々による生演奏は格別です。同じ空間に居る演奏者と聴衆が、リアルタイムで一体となる緊張感も魅力的です。この貴重な文化的資産を、皆で味わい、楽しみ、そして後世につなげていくことができれば素晴らしいと思います。

この豊かな文化を支えて下さっている音楽ファンの皆様、またプロフェッショナルの活動を応援して下さっている企業・団体・個人の皆様、さらに当法人の活動に理解と支援を頂いている国・地方自治体等の皆様に、改めて深く感謝申し上げます。今後も引続き、わが国のオーケストラの活動にご支援とご助力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

2018年7月
公益社団法人日本オーケストラ連盟
理事長 佐藤隆文