ご寄付をお寄せ下さった皆様へ─お礼とご報告─

日頃より、私どもオーケストラの活動に対し深いご理解と多大なご支援をいただいておりまして誠にありがとうございます。

ご高承の通り、昨年末に発生した新型コロナウィルスによる感染症は世界に広がってパンデミックとなり、我々の暮らしを大きく変容させました。コンサートホールでの生演奏はその機会を奪われるなど強い制約を受け、演奏団体や演奏家も窮地に陥りました。こうした中、4月に当連盟として緊急メッセージを発出するなどご支援をお願い申し上げたところ、これまでに多数の音楽ファンの皆様から多大なご寄付を頂戴いたしました。ご寄付下さった皆様ご自身もそれぞれ苦しい現実に直面されていると拝察いたしますところ、このような大変温かいお気持ちは、苦境にある演奏団体・演奏家にとってかけがいのない励ましとなります。心より厚く御礼申し上げます。

ワクチン開発が進展するなど希望の光も差し始める一方、感染者の急増と医療体制の逼迫も深刻化するなど、まだら模様のままですが、2020年も師走に入りましたので、この機会に、皆様から頂いたご寄付の状況とその使い道についてご報告させていただきます。

12月1日現在、484名の皆様から頂きました寄付金総額は

17,746,139円

となっております。

この寄付金につきましては、12月4日に、使途のガイドラインとともに、当連盟の正会員25団体・準会員12団体に対し、計15,660,000円を配分いたしました。使い道は、下記のメニューから、各オーケストラがそれぞれに最もふさわしい分野を選択し、その活動に活用させていただくことになります。

残額の2,086,139円は、公益社団法人日本オーケストラ連盟において、加盟オーケストラに共通の利益となるコロナ対策事業等に使わせていただきます。すでに当連盟では、演奏会再開に向けて行われた飛沫の実証実験など、多くのオーケストラに共通する問題の解決のために活用させていただいています。

<寄付金の使途メニュー>

1. コロナ禍においてご尽力されている方々をコンサートへご招待
医療現場でご苦労いいただいている病院関係者、介護・保育関係の皆様、またこの時期に、芸術鑑賞などの機会を失った子供たちなどをコンサートにご招待いたします。

2. 新たな試みであるネット配信等の事業に活用
生演奏のチケット代収入のみに頼ることなく、それ以外の可能性を模索し、演奏団体としての持続可能性を高めていきたいと考えています。

3. 安全にコンサートを楽しんでいただくための感染症対策に活用
コンサートホールでの公演に際し、検温、空気清浄のため設備、消毒、飛沫委防止のための備品、感染対策の告知費用、会場の安全を保つための人件費などに活用させていただきます。

4. 海外からの来日アーティストの14日間待機などの費用として
感染症の水際対策としての14日間待機は、多くの経済的負担、精神的負担を伴います。それらを側面援助し、良い状態でコンサートを迎えたいと願っています。

以上の方法で活用させていただいた具体的な実績は、本ホームページにおきまして2021年春に改めてご報告させていただきます。

会員オーケストラは、これからも良質の音楽をお届けするという活動を通じて、皆様の暮らしに潤いをもたらせるよう、その社会的役割を果たしていくため努力を続けてまいります。今後とも、日本のオーケストラへの変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

2020年12月4日

公益社団法人日本オーケストラ連盟
理事長 佐藤 隆文